{"paper_id":"39cfdfd1-9a82-47fb-9987-21455954ffc9","body_text":"症例報告\n鼠径部に発生した異所性子宮内膜症の1例\n2012 年 60 巻 5 号 p. 622-626\n詳細\n抄録\n子宮内膜症は子宮内腔面を縁取る子宮内膜上皮と間質組織が異所性に子宮筋層，卵巣，骨盤腹膜などに発生する疾患である。さらに，この部位以外に消化管，肺，臍部など生殖器外に発生することが知られている。今回，我々は右鼠径部に発生した子宮内膜症の1例を経験したので報告する。症例は41歳の3経妊3経産婦で，約半年前から月経時に右鼠径部の疼痛と腫張感を自覚し，術前8か月前に当科を受診した。右鼠径部に小指頭大のリンパ節様腫瘤を触知し，腹部造影CT検査でも同部に1.5cm径の腫瘤影が描出された。疼痛は軽度であったので経過観察としたが，術前3か月前には右鼠径部腫瘤が超母指頭大の棍棒状腫瘤に増大し，圧痛も中等度以上に増悪した。腫瘤の大きさと疼痛は月経時に増大し，月経間は縮小・軽減した。臨床所見から鼠径部の異所性子宮内膜症が強く疑われ，Gonadotropin-Releasing Hormone誘導体製剤 (以下，GnRHアナログ) を術前1.5か月間投与後に5日間入院し，右鼠径部腫瘤切除術を施行した。術後病理診断で異所性子宮内膜症が確認され，局所安静を目的に術後もGnRHアナログを継続中である。術後1週目に創部の浮腫がみられたが軽快し，現在経過は良好である。\n© 2012 一般社団法人 日本農村医学会","source_license":"CC0","license_restricted":false}